訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
「わしと母さんは見合い結婚でな。家と家の利害が一致した政略結婚だ。だが、わしらはすぐに相思相愛になったものだから、見合いは素晴らしいものだと思ってきた」
「ええ、お見合いのおかげで克敏さんに出会えたのですもの。だから自分の子供達にも当初はお見合いを勧めていたのよ」
だけど度重なるお見合いに兄と姉は次第に嫌気が差し、自分で勝手に相手を見つけて来たという。
しかも、家柄的にも文句のつけようのない相手を。
「あの時は驚いたな。政略結婚と見紛うほど有益な相手で、姻戚関係を結ぶに相応しく、わしらは頷くしかなかった」
「亜湖はその頃まだ10歳前後で幼かったから、そんな経緯を知らなかったのね」
……ぜ、全然知らなかった……。
思わぬ事実に私はへなへなと力が抜けていく。
つまり私が勝手に勘違いして思い込んでいたということだ。
「そういうわけで、もし亜湖に恋人がいないなら一度はお見合いを勧めてみるかと思ったまでだ。わしと母さんのように運命の出会いと言える巡り合わせもあるからな」
「うふふ。でも亜湖にはその必要はなかったみたいだけれどね。こんな素敵な人を見つけてきちゃって! もっと葉山さんのお話を聞きたいわ! ご年齢は? お仕事は何をされていらっしゃるの?」
脱力する私を尻目に、母は爛々とした目で要さんへ矢継ぎ早に質問をし始めた。
「ええ、お見合いのおかげで克敏さんに出会えたのですもの。だから自分の子供達にも当初はお見合いを勧めていたのよ」
だけど度重なるお見合いに兄と姉は次第に嫌気が差し、自分で勝手に相手を見つけて来たという。
しかも、家柄的にも文句のつけようのない相手を。
「あの時は驚いたな。政略結婚と見紛うほど有益な相手で、姻戚関係を結ぶに相応しく、わしらは頷くしかなかった」
「亜湖はその頃まだ10歳前後で幼かったから、そんな経緯を知らなかったのね」
……ぜ、全然知らなかった……。
思わぬ事実に私はへなへなと力が抜けていく。
つまり私が勝手に勘違いして思い込んでいたということだ。
「そういうわけで、もし亜湖に恋人がいないなら一度はお見合いを勧めてみるかと思ったまでだ。わしと母さんのように運命の出会いと言える巡り合わせもあるからな」
「うふふ。でも亜湖にはその必要はなかったみたいだけれどね。こんな素敵な人を見つけてきちゃって! もっと葉山さんのお話を聞きたいわ! ご年齢は? お仕事は何をされていらっしゃるの?」
脱力する私を尻目に、母は爛々とした目で要さんへ矢継ぎ早に質問をし始めた。