訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
CAはプロフェッショナルな仕事というイメージがあるし、給与水準も平均より高い。

華やかな職業という認識を持つ人も多く、特に祖父や父世代の年配男性にはウケが良かったりする。

姉のように定職に就いていなかったり、またはすぐに辞めても問題ないと父が判断する仕事よりかは、CAなら仕事を理由に結婚を遅らせられるかもと考えたのだ。

「なるほど、それで来栖さんはCAを選んだんだ」

「……我ながら不純な動機だとは思います。同僚達はCAが憧れだったとか、英語力を活かしたかったとか、お客様にサービスを提供して喜んでほしいとか、そういう熱意溢れる志望動機の人ばっかりですから」

動機はなにあれ、私は仕事の際に手を抜くことはないし、真摯に取り組んでいるつもりだ。

でも同僚と話す度に引け目を感じる、ほんのちょっとだけ気にしていることを、話の流れでついポロッと打ち明けた。


「動機なんてなんでもいいんじゃない?」


それに対して返ってきたのは、サラリとした一言だった。

葉山さんは私の心の内を知ってか知らずか、不純な志望動機を肯定するように言葉を続ける。

「俺だってもともと本が好きなのはあるけど、本格的に小説を書き出したのは会社での女性社員のあれこれにウンザリしたからだしね。キッカケはなんであれ、今その仕事に一生懸命に向き合っていたら俺はいいと思うけど」


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