訳ありイケメンは棘持つ花に魅入られる
葉山さんの見た目に感心することはあっても、ときめいたことなどないというのに。

葉山さんはたぶん狙って言ったのではない。

それは顔を見れば一目瞭然だ。

全く感情の揺れがないし、いつも通りの涼しい顔をしている。

サラリとトンデモ発言をする時と同じような感じだ。

 ……出会った頃からそうだけど、本当に葉山さんにはいつも驚かされるなぁ。

これまで何度ビックリさせられただろう。

片手で数えられない気がする。

 ……うん、今回も褒め言葉は素直に受け取りつつサラッと流そう。恋愛的な意味で言ってないのは明らかだし。

私はにこりと笑みを浮かべると、恋愛コンサル脳へと切り替えた。

「葉山さん、お褒めの言葉、ありがとうございます。そういうのは女心的にグッとくるはずなのでバッチリですよ! あとですね、ついでにここで1つ新たな指摘を入れていいですか?」

「新たな指摘? もちろん、ぜひお願いします」


その返答を受け、私はビシッと人差し指を突き立てた。

「あのですね、付き合い始めて今日で3回目のデートな設定ですよね? 普通はそろそろ名前で呼び合いません? 苗字呼びだと他人行儀でよそよそしくって恋人という感じがしないですから。心の距離を近づけるためにも名前呼びは重要ですよ!」

そう、実はこれ、ずっと気になっていた。

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