溺れるほど甘い、でも狂った溺愛


「……だって、真白、すぐ照れるから。可愛い」

「……もう、やめて」

「嫌なの?」

「……嫌じゃない、けど」


小さく呟いた声が、空気に溶けていく。

彼の口元が、静かに緩んだ。


「なら、あとで、もう少し近くで見てもいい?」

「そんなこと言ってない!」


そう言って顔を背けたが、胸の奥が、少しだけ熱くなっているのを誤魔化せなかった。


搬入作業が終わるころ、会場の照明が少し落とされ、スタッフが明日の流れを確認していた。

煌は手を洗って戻ってきて、わたしの作業台の上に軽く肘を置く。


「明日、きっといい日になりますよ」

「そうだといいです。……少し緊張してる」

「大丈夫。真白が作ったケーキは、ちゃんと人を笑顔にできるから」

「……そう言い切れるの、すごい」

「信じてるから」


その言葉に、心の奥がふわりと揺れた。

煌の目はまっすぐで、まるで光そのものを映しているように穏やかだった。

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