乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
「聖女でもです! だーって、アーネスト様、優しいフリして腹黒王子じゃないですか。あっこんな事言うのも不敬罪? ヒエエ」
言いながら笑っている。言葉こそ丁寧でも、彼女はいつでも私を笑わせてくれた。だからもっと親しくなりたかったのだろうと、振り返れば思う。
「アーネスト様はあれですね。見た目も第一王子って設定も、メインヒーローポジなんで、もし乙女ゲームだったら、その性格の設定は変えるべきですね!」
「性格の設定?」
「そうです。メインヒーローらしく、おとぎ話の正統派王子様みたいに、中も外も優し~くあま~い王子様で!」
「ほう」
「顔が良いので、メインヒーローの素質ばっちりですよ」
彼女の説明通り、私がメインヒーローなのだとすれば、聖女と最後に私が結ばれるということになる。他のメンバー……カイルたちと恋仲になる可能性だってある訳だが。
腹黒という言葉が気にかかるが、彼女と恋仲になるメインヒーローというのは悪くない。
「美しい聖女様、以前よりお慕いしておりました。どうか私の愛を受け取ってください」
「ヒエエエ、美しさの暴力! ていうか何の芝居ですかそれ」
隣に座った彼女を手を取り口づけると、彼女は照れるよりも笑いだした。
「メインヒーローは、優しく甘い王子様なんだろう? ……そうだな。話し方も柔らかくしないとね。これでいいかな? 私は甘い王子様らしく話せている?」
意識して微笑みを作って、台詞のように言ってやれば、彼女は更に笑う。
「ハマり役じゃないですか! でも、うん。アーネスト様は、いつも通りの方が好きだなあ」
「ほう、好きか」
「えっ!? いや! そういう意味じゃなくて!」
急に赤面して、聖女はぶんぶんと首を振る。その百面相が面白くて、可愛くて、私は何度も彼女をついからかってしまったのだった。
辛い戦いだった筈なのに、気付けば彼女が笑っていた記憶ばかりだ。怪我もたくさんしたが、彼女の祈りで全て癒された。
そうして、魔王討伐戦に向かう前日、私は彼女に私の気持ちを伝える事にした。
言いながら笑っている。言葉こそ丁寧でも、彼女はいつでも私を笑わせてくれた。だからもっと親しくなりたかったのだろうと、振り返れば思う。
「アーネスト様はあれですね。見た目も第一王子って設定も、メインヒーローポジなんで、もし乙女ゲームだったら、その性格の設定は変えるべきですね!」
「性格の設定?」
「そうです。メインヒーローらしく、おとぎ話の正統派王子様みたいに、中も外も優し~くあま~い王子様で!」
「ほう」
「顔が良いので、メインヒーローの素質ばっちりですよ」
彼女の説明通り、私がメインヒーローなのだとすれば、聖女と最後に私が結ばれるということになる。他のメンバー……カイルたちと恋仲になる可能性だってある訳だが。
腹黒という言葉が気にかかるが、彼女と恋仲になるメインヒーローというのは悪くない。
「美しい聖女様、以前よりお慕いしておりました。どうか私の愛を受け取ってください」
「ヒエエエ、美しさの暴力! ていうか何の芝居ですかそれ」
隣に座った彼女を手を取り口づけると、彼女は照れるよりも笑いだした。
「メインヒーローは、優しく甘い王子様なんだろう? ……そうだな。話し方も柔らかくしないとね。これでいいかな? 私は甘い王子様らしく話せている?」
意識して微笑みを作って、台詞のように言ってやれば、彼女は更に笑う。
「ハマり役じゃないですか! でも、うん。アーネスト様は、いつも通りの方が好きだなあ」
「ほう、好きか」
「えっ!? いや! そういう意味じゃなくて!」
急に赤面して、聖女はぶんぶんと首を振る。その百面相が面白くて、可愛くて、私は何度も彼女をついからかってしまったのだった。
辛い戦いだった筈なのに、気付けば彼女が笑っていた記憶ばかりだ。怪我もたくさんしたが、彼女の祈りで全て癒された。
そうして、魔王討伐戦に向かう前日、私は彼女に私の気持ちを伝える事にした。