乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
「当たり前だろう。聖女召喚など、そう何度も行えるものではない。それに、もう一度行ったとして、カナエをもう一度呼べる確証もない。別の人間を召喚してしまう可能性があるんだ」
「えっそうなの!? えっでもそれじゃあ、ミカの魔法でちゃ~っと時間戻して、私が戻ってくるまで召喚やり直すとかできないの? 魔力ってそのうち回復するんでしょう? だめ!?」
平然と時間操作を言ってくれる。カナエにはゲーム化した世界について、全て説明したのだが、この期に及んで私が時の魔法を使えると思っているのか。楽天的にも程がある。
まあ、そこに惚れたのかもしれないが。
「だめに決まっているだろう。私はもう二度と時の魔法は使わん」
「じゃあどうやってこっちに戻ってきたらいいの?」
問われて言葉に詰まる。
そもそも、前提がおかしいのだ。なぜ彼女は、こちらに戻ってくるつもりなのか。
「……うそでしょ? こっちに戻る方法がないなら、ミカにもう会えなくなっちゃうじゃん……もしかして私、ミカに捨てられるってこと?」
ガタン、と立ち上がって、カナエがわなわなと震え出す。
「元居た世界に、戻りたいんだろう?」
「そりゃそうだよ! でも、ミカがいなきゃ意味がない! 私に、プロポーズしてくれたんじゃなかったの?」
「それは…」
私も同じだった。カナエがいなければ意味がない。
だからこそ、私は乙女ゲームの世界に変えるという過ちを犯したのだ。
「ミカのいない世界になんて戻れないよ!」
「でも、お前はゲームだから私のプロポーズに答えたんだと……」
「ミカは馬鹿なの!? ここが乙女ゲームでも、現実でもどっちでもいいよ! でも私の好きな人は、私のヒーローはミカだけだよ! 私がずっとミカのルートだけ来てたの、なんだと思ってたの? ミカが大好きだからだよ! 何で、なんで一生会えないこと判ってて、私を日本に戻す準備してるの?」
一気に叫んだ後に、カナエはぼろぼろと大粒の涙をこぼす。
「カナエ」
「えっそうなの!? えっでもそれじゃあ、ミカの魔法でちゃ~っと時間戻して、私が戻ってくるまで召喚やり直すとかできないの? 魔力ってそのうち回復するんでしょう? だめ!?」
平然と時間操作を言ってくれる。カナエにはゲーム化した世界について、全て説明したのだが、この期に及んで私が時の魔法を使えると思っているのか。楽天的にも程がある。
まあ、そこに惚れたのかもしれないが。
「だめに決まっているだろう。私はもう二度と時の魔法は使わん」
「じゃあどうやってこっちに戻ってきたらいいの?」
問われて言葉に詰まる。
そもそも、前提がおかしいのだ。なぜ彼女は、こちらに戻ってくるつもりなのか。
「……うそでしょ? こっちに戻る方法がないなら、ミカにもう会えなくなっちゃうじゃん……もしかして私、ミカに捨てられるってこと?」
ガタン、と立ち上がって、カナエがわなわなと震え出す。
「元居た世界に、戻りたいんだろう?」
「そりゃそうだよ! でも、ミカがいなきゃ意味がない! 私に、プロポーズしてくれたんじゃなかったの?」
「それは…」
私も同じだった。カナエがいなければ意味がない。
だからこそ、私は乙女ゲームの世界に変えるという過ちを犯したのだ。
「ミカのいない世界になんて戻れないよ!」
「でも、お前はゲームだから私のプロポーズに答えたんだと……」
「ミカは馬鹿なの!? ここが乙女ゲームでも、現実でもどっちでもいいよ! でも私の好きな人は、私のヒーローはミカだけだよ! 私がずっとミカのルートだけ来てたの、なんだと思ってたの? ミカが大好きだからだよ! 何で、なんで一生会えないこと判ってて、私を日本に戻す準備してるの?」
一気に叫んだ後に、カナエはぼろぼろと大粒の涙をこぼす。
「カナエ」