乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
謁見はそれだけで終わり、早々に謁見の間からカイルたちは追い出されてしまう。案内をする衛兵の態度こそ丁寧だが、まるで追い立てるようである。
客室に案内される通路を通りながら、カイルはホルスト王の様子を思い出してそっと息を吐く。
「……相変わらずだな」
「何が?」
ごく小さく呟いた言葉を聞きとがめられて、カイルは気まずそうな顔をする。
「いや~? 王城ってやっぱり堅苦しいよね~ってだけ。カナエ様はこの後どうするの? 街に行くなら俺案内するよ?」
追及をさらりとかわして提案すると、カナエは少し考えてから、いいことを思い付いたとばかりに顔を輝かせた。
「城の中案内して! カイルの部屋あるんでしょ? 見てみたい! アーネストの城は召喚されてすぐ出発しちゃって見れなかったしさ。……いいかな?」
まくし立ててから図々しいと自分でも気づいたのか、急に勢いを失ってカナエが言うのに、カイルは少し笑う。
「いいよ、カナエ様」
「では、私はその間に王都周辺のモンスターの状況を聞いてくるよ。君たちは好きに休んでくるといい。夕食の時にまた会おう」
カイルが頷いたを見て、ミヒャエルがそう申し出る。パーティーメンバーの魔法師アレンもミヒャエルについて行った。
「って言っても、城なんて面白いことなんかないと思うけど、それでも良かった?」
「いいよ~全部が初めて見るもん。全部面白い」
カイルは城の庭園を案内した。広すぎる庭園には、植え込みでできた迷路もあり、そこをうろうろするだけで半日は過ごせそうである。
「庭園も面白いけど、カイルの部屋は?」
ひとしきり歩いてから、カナエが言うとカイルは苦笑いを浮かべた。
「面白いものなんて何にもないけど、本当に来るの? 未婚のレディーが男の部屋に二人きりになるとかダメじゃん?」
「何で?」
本当に意味が判らないで言っているのか、それとも意味がわかっていてカイルを意識していないだけなのか、カイルは判断に苦しむ。
「カイルは二人きりだからっていきなり狼になるタイプでもないでしょ?」
客室に案内される通路を通りながら、カイルはホルスト王の様子を思い出してそっと息を吐く。
「……相変わらずだな」
「何が?」
ごく小さく呟いた言葉を聞きとがめられて、カイルは気まずそうな顔をする。
「いや~? 王城ってやっぱり堅苦しいよね~ってだけ。カナエ様はこの後どうするの? 街に行くなら俺案内するよ?」
追及をさらりとかわして提案すると、カナエは少し考えてから、いいことを思い付いたとばかりに顔を輝かせた。
「城の中案内して! カイルの部屋あるんでしょ? 見てみたい! アーネストの城は召喚されてすぐ出発しちゃって見れなかったしさ。……いいかな?」
まくし立ててから図々しいと自分でも気づいたのか、急に勢いを失ってカナエが言うのに、カイルは少し笑う。
「いいよ、カナエ様」
「では、私はその間に王都周辺のモンスターの状況を聞いてくるよ。君たちは好きに休んでくるといい。夕食の時にまた会おう」
カイルが頷いたを見て、ミヒャエルがそう申し出る。パーティーメンバーの魔法師アレンもミヒャエルについて行った。
「って言っても、城なんて面白いことなんかないと思うけど、それでも良かった?」
「いいよ~全部が初めて見るもん。全部面白い」
カイルは城の庭園を案内した。広すぎる庭園には、植え込みでできた迷路もあり、そこをうろうろするだけで半日は過ごせそうである。
「庭園も面白いけど、カイルの部屋は?」
ひとしきり歩いてから、カナエが言うとカイルは苦笑いを浮かべた。
「面白いものなんて何にもないけど、本当に来るの? 未婚のレディーが男の部屋に二人きりになるとかダメじゃん?」
「何で?」
本当に意味が判らないで言っているのか、それとも意味がわかっていてカイルを意識していないだけなのか、カイルは判断に苦しむ。
「カイルは二人きりだからっていきなり狼になるタイプでもないでしょ?」