明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
「あなたは、この逢坂家の子供を産んでくれるのかしら。」

「はい。懸命に務めます。」

そう。それでも、私は旦那様の子供を産まなければならない。

例え、旦那様のお気持ちが、奥様のあったとしても。

「期待してるわよ。珠緒さん。」

「はい。」

そしてお姉様は、部屋を出て行った。

まるで、私の意思を確認しにきたかのように。

私は、窓辺の床に崩れ落ちた。

「うぅ……惇様……」

たった一晩、抱かれただけで心を奪われるなんて。

私はなんてことをしたのだろう。

やがて何度かの閨を経て、私はようやくこの屋敷に、妾として認識されるようになってきた。

「珠緒様、旦那様がお出かけになられます。」

「今、行きます。」

最初は何も教えてくれなかった使用人達も、旦那様の事を教えてくれるようになった。

旦那様が仕事に行くと教えられ、玄関に向かうとそこには奥様がいた。
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