明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
「ちょっと待って下さい。」

私は旦那様から離れようとした。

「放さない。君が本当の事を言うまで放さない。」

胸がきゅーんと鳴った。

ああ、どうしよう。そんな事を言われるなんて。

「あの……」

「なんだ?正直に話してくれ。」

「……ややこができたんです。」

その瞬間、旦那様も奥様も目が点になっていた。

「あっ、ややこって赤子のことです。」

「できたって、誰に?」

「私にです。私のお腹の中に。」

「えええっー!」

二人揃って飛び上がる程に驚いている。

「赤ちゃんが!珠緒さんのお腹に?」

泣き出した奥様は、旦那様の背中を摩った。

「旦那様?」

すると旦那様は、涙を零していた。

「そうか。俺に赤子ができたのか!」

その様子を見た私まで、涙が出て来た。

「あなたの子です。旦那様。」

「ああ。」

そして旦那様は私を抱きしめてくれた。

「よくやった。珠緒。」
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