明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
「逢坂様って言ってね、うちのごひいきの相手なんだ。奥様が病で子ができないんだと。」

「それで、代わりに枕を共にしろと。」

「ただ枕を交わすだけじゃない。跡継ぎを産んで欲しいだそうだ。」

私は困った。

子供だって、必ず産めるかどうかなんて分からないし。

産んでも男子かどうかなんて、分かったものじゃないのに。

「跡継ぎってことは、それ相応なりの家柄の娘ではないといけなし。白川家はお父上の代は栄えていたのだろう?」

「はい。多少は。」

「それにおまえの、その心根の強さはきっと、逢坂を支えられると思うんだ。どうかね。引き受けてみないか。」

そう言われても、直ぐには決められない。

「……一度、相手の方に会わせて頂けますか。」

「いいよ。逢坂様には、会って決めると伝えておくよ。」

私は旦那様に頭を下げると、そのまま部屋から去った。
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