明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
私は旦那様を見た。

「まだ、誠一の学費を払って下さっていたのですか。」

「何となく気になってね。」

すると旦那様は、誠一の前に立った。

「学費を払わなくては、大学校に行けないだろ。心配しなくてもいい。君の成績は優秀だと聞いている。前途ある若者を支援するのも、俺の希望だ。」

「……もう必要ありません。」

「誠一?」

私は不安になって、誠一に尋ねた。

「もしかして、学校を辞めたの?」

「小学校で教えるツテがあって。そこで働く事になった。」

私は、誠一の胸を手で叩いた。

「どうしてそんな勝手なことするの!」

「勝手なことしてるのは、いつも姉君の方だ。」

「小学校の先生なんて!大学校を卒業しなくてもできるじゃない!何の為に、私がっ!」

私はしゃがみ込んだ。

「私がっ……看護学校を辞めてまで、あなたを大学校に行かせたかったのか。」
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