明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
すると旦那様が、私を抱きしめて立ち上がらせてくれた。

「誠一君。本当に学費の事は心配しないで欲しい。お姉さんの気持ちを受け止めるんだ。」

誠一は、唇を噛み締めた。

「誠一。お願いよ。あなたが大学校を出て、教師になるのが私の夢なのよ。」

そう言うと、誠一は涙を流した。

「もう、姉君を犠牲にするのは、耐えられないんだ。」

「誠一……」

「逢坂さんがここにいるって事は、姉君はまた逢坂さんの妾になるんだろう。俺の学費の為に。」

誠一は目を瞑って、涙を堪えた。

「誠一君。俺は何もお金の為や体の為に、お姉さんといるわけじゃない。」

「嘘だ!」

「……愛しているんだ。お姉さんの事を。」

突然の言葉に、私の心が満たされる。

「珠緒、また来る。」

そう言って旦那様は、馬車に乗って行ってしまった。

誠一はガタッと玄関のドアを開けると、家の中に入って行ってしまった。
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