明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
旦那様は、階段の上にいるお姉様に対して、仁王立ちになった。

「姉さん。話がある。」

お姉様は、ゆっくりと階段を降りて来た。

「……珠緒を階段から落としたのは、姉さんだね。」

「えっ……」

お姉さんの眉がピクッと上がった。

「人聞きの悪い事を言わないでちょうだい。」

「使用人に調べさせた。あの日、階段をやけに姉さんが気にしていたと。」

私はわなわなと体を震わせた。

「どうして……どうしてですか!子供を願っていたのは、お姉様の方じゃないですか!」

お姉様は、伏し目がちに私を見た。

「羨ましかったのよ。私は子供を作る機会さえ奪われていたのに。あなたは、惇に愛されて子供まで授かって。」

お姉様は私の前に、両膝を着いた。

「申し訳ない事をしたわ。謝っても赤子は帰って来ないけれど。」

そう言ったお姉様の肩を旦那様は、ポンと叩いた。
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