明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
「新しい家族に乾杯だ。」

旦那様は、今まで以上に満足した顔をしているし、何より誠一も母も、この屋敷に来て顔色が良くなった。

「旦那様。」

「ん?」

私は旦那様を見つめた。

「私の家族を迎い入れてくださって、ありがとうございます。」

私の目には、涙が光っていた。

「あ、イチャつくのは二人きりの時にしてくださいよ。」

弟がステーキを食べながら言った。

「独身の僕としては、男女がイチャつくのはいささか恥ずかしいです。」

「そんな事言って。」

私はふふふと笑った。

その時だった。食卓に新しいジュースを持って来た使用人がいた。

「琴さん!」

誠一は、懐かしいようにその使用人の名を呼んだ。

「琴さん?」

すると誠一と同じくらいの使用人の女性が、私に頭を下げた。

「姉君。こちら琴さん。姉君がいない間に、俺達の身の回りの世話をしてくれた方だよ。」
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