明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
屋敷に着いた私は、逢坂様の出迎えを受けた。

「やあ、よく来てくれたね。」

スーツ姿がよく似合う、美男子タイプのご主人様。

「これからよろしくお願いします、ご主人様。」

私は頭を下げた。

「ははは。ご主人様か。照れ臭いな。」

そう言うとご主人様は、私の頬に手を当てた。

「惇と呼んでくれ。妾と言えども、君は俺の連れになったのだから。」

「惇様……」

胸が苦しくなった。私が惇様の連れだなんて。

私は恥ずかしくて、俯いた。

「君の部屋を案内しよう。こっちだ。」

後ろから私の荷物を持った使用人が付いてくる。

2階に上った惇様は、階段の直ぐ近くの部屋のドアを開けた。

「ここだよ。」

広い部屋。まるで私が暮らしていた家ぐらいある。

奥には私が寝る寝台があった。

「君と枕を共にする時は、この部屋に来るからそのつもりで。」

そう言うと惇様は、私の手の甲にキスをした。
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