あなたに殺された聖女の私
ユリセナは聖女として市井に足を向けることも多く、それを王妃は嫌っていたのだ。
だからイブリンが聖女になったときも、彼女は神殿内での活動に力を入れるが、それ以外のことは興味がないとでもいうように、まったく手をつけなかった。例えば、養護院や医院などへの慰問活動など。
王妃はユリセナが王太子妃として、王族に名を連ねるのを嫌がっていた。そういった卑しい活動をしているから、心も卑しくなるのだと、ユリセナを罵倒していた王妃の姿を、カイレムは目にしたことがある。ユリセナには王族としての威厳がないと、そんなこともたびたび耳にした。
イブリンは、自分より身分の低いユリセナが聖女として認められ、かつ王太子の婚約者として選ばれたことを妬んでいた。
カイレムとしては、王太子妃、次期王妃としてふさわしい女性を望むだけ。
――コツ、コツ、コツ……
ゆっくりとしたノック音。
控えていた近衛騎士のダリオンに「リリシアだろう」と言い、部屋に入れるよう、告げた。
「お兄様。イブお義姉様は、どうされたの?」
人の部屋に入ってきたとたん、イブの心配をする。
「それよりも、侍女もつけずにここまで来たのか?」
だからイブリンが聖女になったときも、彼女は神殿内での活動に力を入れるが、それ以外のことは興味がないとでもいうように、まったく手をつけなかった。例えば、養護院や医院などへの慰問活動など。
王妃はユリセナが王太子妃として、王族に名を連ねるのを嫌がっていた。そういった卑しい活動をしているから、心も卑しくなるのだと、ユリセナを罵倒していた王妃の姿を、カイレムは目にしたことがある。ユリセナには王族としての威厳がないと、そんなこともたびたび耳にした。
イブリンは、自分より身分の低いユリセナが聖女として認められ、かつ王太子の婚約者として選ばれたことを妬んでいた。
カイレムとしては、王太子妃、次期王妃としてふさわしい女性を望むだけ。
――コツ、コツ、コツ……
ゆっくりとしたノック音。
控えていた近衛騎士のダリオンに「リリシアだろう」と言い、部屋に入れるよう、告げた。
「お兄様。イブお義姉様は、どうされたの?」
人の部屋に入ってきたとたん、イブの心配をする。
「それよりも、侍女もつけずにここまで来たのか?」