運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
*
迎えにきたエマたちとともに回廊を歩いていると、向かい側から見慣れた女の人がやってくるのに気づく。
「リディアっ?」
「まあ、セレナではありませんか。探しましたわよっ」
リディアもまた、こちらに気づいて駆け寄ってくる。
「まだ王都にいたの? このところ、会えないから帰っちゃったと思ってた」
セレナがすがるようにリディアの手を握ると、彼女もしっかりと握り返してくれる。
「メルンへ戻る準備をしていましたの。あいさつもせずに帰るなんてしませんわ」
「そうよね。ごめんなさい。私もいろいろと忙しくて……」
「かまいませんわよ。先ほど、お部屋を訪ねましたら、まだ戻られてないと言われてあきらめかけていましたの。お会いできてよかったですわ」
「私も。話したいことがたくさんあって」
リディアはまだアレクとの婚約を知らない。両陛下がお認めくださり、有力貴族たちの間では認知されているだろうが、大陸中に知らせが届くのは、正式に婚約式を行ったあとだろう。
最近になって知ったことだが、五人の婚約者のいずれも、婚約式は行われていなかった。内々に話が進み、婚約者選定パーティーに呼ばれる名家……まあつまり、王太子妃輩出を狙う貴族たちへ、圧力をかけるために一部で公表されている程度のものだったらしい。
迎えにきたエマたちとともに回廊を歩いていると、向かい側から見慣れた女の人がやってくるのに気づく。
「リディアっ?」
「まあ、セレナではありませんか。探しましたわよっ」
リディアもまた、こちらに気づいて駆け寄ってくる。
「まだ王都にいたの? このところ、会えないから帰っちゃったと思ってた」
セレナがすがるようにリディアの手を握ると、彼女もしっかりと握り返してくれる。
「メルンへ戻る準備をしていましたの。あいさつもせずに帰るなんてしませんわ」
「そうよね。ごめんなさい。私もいろいろと忙しくて……」
「かまいませんわよ。先ほど、お部屋を訪ねましたら、まだ戻られてないと言われてあきらめかけていましたの。お会いできてよかったですわ」
「私も。話したいことがたくさんあって」
リディアはまだアレクとの婚約を知らない。両陛下がお認めくださり、有力貴族たちの間では認知されているだろうが、大陸中に知らせが届くのは、正式に婚約式を行ったあとだろう。
最近になって知ったことだが、五人の婚約者のいずれも、婚約式は行われていなかった。内々に話が進み、婚約者選定パーティーに呼ばれる名家……まあつまり、王太子妃輩出を狙う貴族たちへ、圧力をかけるために一部で公表されている程度のものだったらしい。