運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
 驚きすぎてぼんやりしてしまうと、テオが吹き出すように笑う。

「……笑うなんて失礼です」
「あまりに想像通りで……、つい、すみません」
「どういう意味ですか?」
「いやぁ、絶対におとなしく待ってないだろうからと、セレナさんを見張るようにアレク様から命じられてたんですよ」
「アレクが?」

 それを聞いたら、みるみるうちに顔が熱くなってくる。全部、見透かされてたなんて。

「それでも、行きますか?」

 急にテオは真顔になって尋ねてくる。

「もちろんです。アレクの力になりたいんです」
「アレク様の命令は、王宮から出ないように……だったはずです。お忘れですか?」
「忘れてなんていません。でも……」

 セレナはまっすぐにテオを見上げた。

「助けたいんです。彼が危険に飛び込むなら、私にだってできることがあるはずです。待ってるだけなんて、いやなんです」

 その言葉に、テオはほんの少し目を細める。

「アレク様は良い方を選ばれましたね」
「急に……なに?」
「最初から、あなたのひるまない強さが気になっていたのかもしれません」
「だから、なんの話ですか?」
「いえ、このところのアレク様はずいぶんと楽しそうにされていたので、お幸せなんだと思っていたんですよ」

 意味ありげな視線を送られると、途端に恥ずかしくなってしまう。

「……そう、ですか?」
「はい。いろいろと無自覚なようですが、お出かけになる前、セレナさんを失うわけにはいかないんだとおっしゃってましたよ」

 セレナの胸がどくりと高鳴る。彼がそんなふうに言っていたなんて、信じられなかった。
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