秘密の多い後輩くんに愛されています

今日は月に一度のノー残業デー。

定時に帰って、スーパーでお弁当を購入すればゆっくり暁先生の小説が読める。


そう思っていたけれど二十一時を過ぎた現在、私は居酒屋にいた。


『今日はノー残業デー&華の金曜日! ってことで、久々に皆で飲みに行こう』

部署の一番上の先輩にそう声をかけられたからだ。

こういう時、侑里は男性社員に囲まれていて私は後輩の女の子たち……特に清水さんと同じテーブルにつくことが多い。

だけど、今日は別テーブル。

私は新入社員たちの座るテーブルに案内されて、仕事についての質問に片っ端から答えていった。

「二軒目行く奴ー!」

さっきまで飲んでいた居酒屋の店先で千鳥足の先輩が皆に声をかける。

すると、まだ飲み足りないメンバーが続々と先輩のもとに集まった。

「舞花はどうする?」

「私は帰るよ。侑里は行くの?」

「明日休みだし、行こうかな」

「そう。じゃあ、また月曜日に」

「あっ、待って」

侑里はそう言って私を残したままどこかへ向かって歩いていく。

言われたとおり待っていると、侑里はなぜか上田くんを連れて帰ってきた。

「舞花S駅から電車でしょ。上田ってS駅の近くに住んでるんだって。危ないし、送ってもらえば?」

上田くんの後ろでバチンとウィンクを飛ばしてくる侑里。

いや、ナイスアシスト! じゃないから。

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