秘密の多い後輩くんに愛されています
「危ないってこの辺、人も多いし大丈夫だよ。それに上田くんに迷惑……」
「俺は別に迷惑じゃないですよ」
私の言葉に被せるようにして口を開いた上田くん。
外が暗いせいか、いつも以上に彼の表情が読めない。
ここで断るのはかえって失礼な気がして私は上田くんと一緒にS駅へと向かうことにした。
「上田ー! 送り狼になるなよ。って、あいつにはそんな度胸ねぇか」
夜の街に響くガハハという下品な笑い声。
「先輩、酔いすぎですよ」
酔いの回った先輩を侑里が回収して、皆は私たちとは別の方向へと歩きだした。
「えっと……、私たちも行こっか」
「そうですね」
「…………」
「…………」
だめだ、沈黙に耐えられない。
「そういえば、上田くんがこういう飲み会に参加するのって珍しいよね」
「極力、まっすぐ家に帰りたいんで」
「ああ、わかる。大勢で飲むのって気を遣うしね。お酒は強いの?」
「多分、それなりに」
ニターンで会話終了。
男の人とふたりの時って何を話せばよいのだろうか。
プライベートな話はあまり聞かれたくないかもしれないし……。
私と上田くんの共通点は何かないかと探っていると、今朝の出来事を思い出した。