秘密の多い後輩くんに愛されています

「まだ完全には受け入れられないけど、上田くんが暁先生だってことは信じるよ。だけど、どうして私に話してくれたの?」

「それは白鳥先輩が暁のファンだからですよ。本当はまだ言うつもりじゃなかったんですけど、先輩の気持ちが少しでも俺に揺らいでいるならどんな手でも使おうと思って」

どんな手でもって、これは予想外すぎる。

「う、上田くんって思ったよりもグイグイ攻めてくるね?」

今どきの男性は草食系が多いってあれは嘘ですか。

「そりゃ白鳥先輩がフリーな今がチャンスなんですから。返事は待ちます。ただ、俺は白鳥先輩が好きで、もうこの気持ちを隠さないってことだけは覚えててください」

「は……はい」

「タクシー着いたみたいなんで、下まで送っていきます」

節点のなかった後輩が実は大好きな作家で、私を好きだと言っている。

これって何かの小説ですか──?

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