スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する

 外の空気はひんやりとしていて、緊張していた心をほんの少しだけ落ち着かせてくれる。
 しかし、ふたりきりになって初めて生まれる、別の緊張感があった。

 ちら、と朔也さんの様子をうかがう。彼は表情ひとつ変えずまっすぐ前を見ていた。

 かっこいい……んだけど、なにを考えているんだろう? まだ朔也さんとは全然話せてないし、声を聞いたのもさっきのが初めて。やっぱり彼のお眼鏡にはかなわなかったのだろうか?

 彼ならわざわざ私を選ばなくても、きっともっとすばらしい女性たちから引く手あまただ。
 お見合い相手でなければ、私にとってはかなり縁遠い人ともいえる。
 そんな彼と結婚するなんて恐れ多すぎて、ドキドキはするけれど、親近感も現実味もまるでない。

 やっぱり葉室家と有栖家では、無理があるんじゃ……。

 そんな思いが胸をよぎったとき、彼が静かに口を開いた。

「七海さんは、俺と結婚なんて嫌じゃない?」
< 17 / 42 >

この作品をシェア

pagetop