スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する
外の空気はひんやりとしていて、緊張していた心をほんの少しだけ落ち着かせてくれる。
しかし、ふたりきりになって初めて生まれる、別の緊張感があった。
ちら、と朔也さんの様子をうかがう。彼は表情ひとつ変えずまっすぐ前を見ていた。
かっこいい……んだけど、なにを考えているんだろう? まだ朔也さんとは全然話せてないし、声を聞いたのもさっきのが初めて。やっぱり彼のお眼鏡にはかなわなかったのだろうか?
彼ならわざわざ私を選ばなくても、きっともっとすばらしい女性たちから引く手あまただ。
お見合い相手でなければ、私にとってはかなり縁遠い人ともいえる。
そんな彼と結婚するなんて恐れ多すぎて、ドキドキはするけれど、親近感も現実味もまるでない。
やっぱり葉室家と有栖家では、無理があるんじゃ……。
そんな思いが胸をよぎったとき、彼が静かに口を開いた。
「七海さんは、俺と結婚なんて嫌じゃない?」