スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する
 低い声で問われて、心臓が大きく跳ねた。

 考えてみれば、朔也さんは年上だし、私を呼び捨てにするのはあたり前かもしれない。
 なんで今まで気づかなかったんだろう。自分から気づいて申し出ればよかった。

「は、はい。呼び捨てでお願いします」

 朔也さんの口もとが、ふわりと優しく綻ぶ。

 彼の手が私の頬にそっと触れた。
 そして次の瞬間、結婚式のキスよりも、もっと深くて、甘いキスが落ちてきた。

「んっ……」

 唇から熱が伝わって、緊張で体が固まった。
 キスが終わるなり、彼は少しだけ眉尻を下げる。

「七海?」
「……はいっ」

「抱いてもいい?」
< 28 / 42 >

この作品をシェア

pagetop