スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する
***

 それからすぐ新居でのふたりの生活が始まった。

 私は結婚までは有栖リゾートのホテルで託児所の手伝いをしていたが、それはやめて家事に慣れるように努力した。
 最初は不慣れでも少しずつできることが増え、朔也さんも温かく見守ってくれている。

 しかし……私はどうしても夜になれば、朔也さんを無意識に避けてしまった。
 彼はそんな私を責めたり、急かしたりすることは一度もなかった。

 それどころか、毎晩のようにふたりのベッドで固まる私に言ってくれる。

「七海、無理しなくていいから。最初の夜は焦ったんだ。ごめん……」

 その声があまりにも優しいものだから、余計に恥ずかしくなる。
 私はなにも言えずに、黙り込むしかできなかった。
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