スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する
***

 そんなある日、小さな奇跡が起こった。

 その夜の私は、喜びと緊張を抱えながら朔也さんの帰りを待っていた。
 そして帰ってきた彼にドキドキしながら告げる。

「あのね……朔也さん。妊娠しました」

 朔也さんは目を見開いたまま、数秒時が止まったかと思えば、ゆっくりと表情を綻ばせていった。
 最後には私の手を取り、これまで見たこともないくらい満面の笑みを浮かべた。

「……そうか。ありがとう、七海。……本当に、ありがとう」

 私は彼のうれしそうな様子を見ながら、さっきまでの緊張がほどけ、喜びの波が押し寄せていた。
 朔也さんとなら、大丈夫。きっと素敵な家族になれる。
 私は心の底から、子どもが生まれてきてくれることが楽しみになった。
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