完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

17.痴漢

「出会う順番が違っただけだって、自分と別れて欲しいって凛音は僕に言ったよ。子供もまだいないんだから問題ないでしょって⋯⋯僕のどこが小柳真紘に劣ってると言うんだ! トップアイドルといっても芸能なんて水商売と変わらないじゃないか!」

 HIROはやっぱりこれからスターダムを駆け上がるようだ。
(⋯⋯水商売⋯⋯この単語は頻出テストに出るな⋯⋯)

 玲さんが怨みのこもったような目で私を見つめてくる。
 何時になく真剣で悲しみと怒りを閉じ込めた瞳に見入ってしまった。
 全てを思い出せないのに、本当にあった事のように断片的なシーンの記憶が脳裏に蘇る。

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