完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

 思わず漏れた私の本音に、玲さんは妖しく微笑む。
「当たり前でしょ、僕が一番凛音の事を知っているんだから、君の感じるところも全部⋯⋯」
 玲さんはそう言って私を抱き寄せると深く口づけてくる。
 脳が蕩けるくらい気持ちよく頭がボーッとしてきた。

 彼と接触したからか、電気が流れるように結婚生活の記憶が蘇ってきた。

『学生時代の友達と会うだけだって言ってたのに、男もいたんだね』
 玲さんが冷ややかな声で、テーブルの上に浮気の証拠のように写真を並べた。
『男って言っても、茉莉乃さんの婚約者だよ。近々結婚するから、お披露目に連れて来ただけ⋯⋯』

< 221 / 320 >

この作品をシェア

pagetop