完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 少しの時間でも自由になれる時間を渇望していた。

 私が廊下を歩いていると、誰かに手を引かれ部屋に連れ込まれた。

『曽根崎凛音さん! 顔真っ青だよ。大丈夫?』
 連れ込まれたのはHIROの控え室だった。
 私は身内にも気付いて貰えなかった私のSOSに気がついてくれた彼に自分の状況を涙ながらに話してしまった。

『今の場所から逃げ出したいのなら、俺が手伝ってあげるよ』
私から離婚はできないと嘆く私に、HIROは自分と劇的に恋に落ちた事にすれば良いと言った。

『そんな事したら、貴方もタダじゃ済まないわよ』
 私は曽根崎玲がどれだけ怖い人か知っていた。
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