完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「そういえば、玲さん。今日はどうして私があそこにいるって分かったの? それと、『スーパーブレイキン』のHIROって玲さんの知り合い?」

 私の質問に彼は答えず、私をお姫様抱っこしながら黙って船の際まで足を進める。

 彼に抱っこされている私は彼に手を離されると、海に落ちてしまいそうだ。

「玲さん、ちょっと怖いよ⋯⋯」
 私は必死に彼にしがみついた。

「怖い? どうして、自分がこんな目にあうのか理解できてる? それは凛音が僕を失望させたからだ。婚約者がいるのに他の男に股を開くようなアバズレ女が!」

 私は一瞬何を言われたのか分からなかった。
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