転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 そう考え、こちらに向かって訝しげな視線を向ける男性達に話しかける護衛騎士の姿を見守った。

「あんたらにとって、ディルク殿下ってどんな存在だ?」
「そりゃあ、怖いですよ! いつも無表情ですし!」
「どうでもいいことを話し合えるのは、ゼヅロム卿くらいなものですよね。王弟でなければ、一生関わり合いになりたくないです」

 彼らの口からは、畏怖しか聞こえて来ない。
 カルトンさんはそれが不満だったのだろう。
 呆れたように肩を竦めた。

「もっとねぇのかよ。いい一面とか」
「真面目で仕事熱心。ああ、でも……。最近、結婚相手に逃げられたんですよね」
「噂じゃ逃亡している聖女が忘れられなくて、血眼になって探してるとか……。そういう意味では、愛が重いですよね」
「悪口じゃねぇか」

 彼らに聞いたのが間違いだったと苦笑いを浮かべ、男性達と別れた。
 それからディルクさんの元へと向かう途中に何人か話を聞いたが、誰もが口を揃えて同じことを言う。
< 112 / 249 >

この作品をシェア

pagetop