転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「殿下? ああ、仕事熱心ですよね。最近は、休みがちですが」
「聖女にご執心なのは、勘弁してほしいですね……」
仕事中は尊敬できるが、プライベートは軽蔑する。
そんなふうに殿下が称されるようになったのは、私のせいだ。
今すぐに正体を明かして彼が不誠実な人間ではないと打ち明けたい気持ちでいっぱいになりながら、私はぐっと唇を噛み締めて堪え続けた。
「なんつーか、ごめんな? あいつ、オレが思ってた以上に人望がないみたいだわ……」
「いえ……。仕事中は尊敬できると聞けただけで、充分です。悪いのは、私なのですから……」
「どうだかなぁ……」
カルトンさんが納得のいかない表情で考え込みながら、なんの変哲もない扉を当然のように開け放つ。
声もかけずに入室して、本当にいいのだろうか……?
私は不安でいっぱいになりながら、彼のあとに続いた。
「ノックをしなさいと、あれほど……!」
「ご、ごめんなさい……!」
「……シエル?」
室内にいた男性が叱りつけたのはカルトンさんだとわかっていたが、許可を得ずに脚を踏み入れた私も同罪だ。
条件反射的に謝罪を口にすれば、ディルクさんがこちらの声に反応した。
「聖女にご執心なのは、勘弁してほしいですね……」
仕事中は尊敬できるが、プライベートは軽蔑する。
そんなふうに殿下が称されるようになったのは、私のせいだ。
今すぐに正体を明かして彼が不誠実な人間ではないと打ち明けたい気持ちでいっぱいになりながら、私はぐっと唇を噛み締めて堪え続けた。
「なんつーか、ごめんな? あいつ、オレが思ってた以上に人望がないみたいだわ……」
「いえ……。仕事中は尊敬できると聞けただけで、充分です。悪いのは、私なのですから……」
「どうだかなぁ……」
カルトンさんが納得のいかない表情で考え込みながら、なんの変哲もない扉を当然のように開け放つ。
声もかけずに入室して、本当にいいのだろうか……?
私は不安でいっぱいになりながら、彼のあとに続いた。
「ノックをしなさいと、あれほど……!」
「ご、ごめんなさい……!」
「……シエル?」
室内にいた男性が叱りつけたのはカルトンさんだとわかっていたが、許可を得ずに脚を踏み入れた私も同罪だ。
条件反射的に謝罪を口にすれば、ディルクさんがこちらの声に反応した。