転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「殿下……」
恐る恐る彼を呼び、目を合わせる。
普段と異なる容姿や格好のせいで目を見開いてはいたが、すぐさま嬉しそうに口元を綻ばせた。
「よく、来たな……」
「おー。仕事の邪魔をしちまって……」
「黙っていろ」
しかし、彼の上機嫌な様子は長くは続かなかった。
ディルクさんは護衛騎士に冷たく言い放つと、苛立ちを隠せない様子で席を立つ。
――なんでこんなところに来たんだって、殿下に怒られる……!
私はぎゅっと両目を瞑り、雷が落ちるのを待ち続けた。
「シエル」
しかし、いつまで経っても想像どおりの展開は起きない。
それどころか、細い身体を優しく抱きしめてくれた。
私を呼ぶ殿下の声音は、とても優くて……。
「怒って、いないのですか……?」
「なぜ?」
「入室の許可を、得なかったので……」
「あれは、カルトンに言った。シエルなら、いつでも大歓迎だ」
「殿下……」
どうやら、不機嫌に見えたのは護衛騎士に苛立っていただけだったようだ。
ほっと胸を撫で下ろせば、触れた場所から熱が伝わる。
その感覚に酔い痴れていると、彼から苦言を呈された。
恐る恐る彼を呼び、目を合わせる。
普段と異なる容姿や格好のせいで目を見開いてはいたが、すぐさま嬉しそうに口元を綻ばせた。
「よく、来たな……」
「おー。仕事の邪魔をしちまって……」
「黙っていろ」
しかし、彼の上機嫌な様子は長くは続かなかった。
ディルクさんは護衛騎士に冷たく言い放つと、苛立ちを隠せない様子で席を立つ。
――なんでこんなところに来たんだって、殿下に怒られる……!
私はぎゅっと両目を瞑り、雷が落ちるのを待ち続けた。
「シエル」
しかし、いつまで経っても想像どおりの展開は起きない。
それどころか、細い身体を優しく抱きしめてくれた。
私を呼ぶ殿下の声音は、とても優くて……。
「怒って、いないのですか……?」
「なぜ?」
「入室の許可を、得なかったので……」
「あれは、カルトンに言った。シエルなら、いつでも大歓迎だ」
「殿下……」
どうやら、不機嫌に見えたのは護衛騎士に苛立っていただけだったようだ。
ほっと胸を撫で下ろせば、触れた場所から熱が伝わる。
その感覚に酔い痴れていると、彼から苦言を呈された。