転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「いつものように、名前で呼んでくれ」
どうやら、殿下呼びはお気に召さないようだ。
私のような存在が名前で呼ぶなんて、烏滸がましくないだろうか?
判断に迷い、カルトンさんや室内にいた男性へお伺いを立てるように視線を彷徨わせる。
「嬢ちゃんの前では、別人じゃねぇか」
「にわかには、信じがたい状況です……」
しかし、彼らはディルクさんの変わりように驚いて使い物にならなかった。
男性達と目線での対話に失敗した私は、渋々殿下の望みどおりに呼んでやる。
「ディルクさん? お仕事は……」
「問題ない。2人きりにしてくれ」
「はいよ」
「溜まった仕事は、夜に挽回してくださいね」
私が彼らに助けを求めるように見つめたのが、気に食わなかったのだろうか?
ディルクさんは男性達に退室を促す。
あっという間に扉が閉まり、密室で2人きりになってしまった。
「カルトンと一緒に、ここまで着たのか」
「はい。私1人では、会いに来ようとは思えませんでした。カルトンさんがいてくれたから……」
「許婚の俺よりも、あいつを頼るんだな」
彼は私の身体に顔を埋めるのを止め、クシャリと表情を歪めて苦しそうに唇を噛みしめる。
どうやら、殿下呼びはお気に召さないようだ。
私のような存在が名前で呼ぶなんて、烏滸がましくないだろうか?
判断に迷い、カルトンさんや室内にいた男性へお伺いを立てるように視線を彷徨わせる。
「嬢ちゃんの前では、別人じゃねぇか」
「にわかには、信じがたい状況です……」
しかし、彼らはディルクさんの変わりように驚いて使い物にならなかった。
男性達と目線での対話に失敗した私は、渋々殿下の望みどおりに呼んでやる。
「ディルクさん? お仕事は……」
「問題ない。2人きりにしてくれ」
「はいよ」
「溜まった仕事は、夜に挽回してくださいね」
私が彼らに助けを求めるように見つめたのが、気に食わなかったのだろうか?
ディルクさんは男性達に退室を促す。
あっという間に扉が閉まり、密室で2人きりになってしまった。
「カルトンと一緒に、ここまで着たのか」
「はい。私1人では、会いに来ようとは思えませんでした。カルトンさんがいてくれたから……」
「許婚の俺よりも、あいつを頼るんだな」
彼は私の身体に顔を埋めるのを止め、クシャリと表情を歪めて苦しそうに唇を噛みしめる。