転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「ユニコッ!」
神獣は男性から私を庇うように、いつでも額の角で一突きできるように前かがみの体制になって目の前に立ち塞がる。
こんなところにいるはずのないユニコーンの姿を目にした彼は、驚きで目を見開いた。
「なぜ、神獣が……」
「コーン!」
「待ってくれ。俺は君に、危害を加えるつもりはない」
「ユニーン!」
男性は両手を上げて降参のポーズをした。
だが神獣は、「信じられるか!」と言わんばかりに興奮した様子を見せる。
彼は獣を宥めるため、己の出自を明かした。
「このアトリエは、俺が所有している。ただの画家が、君を傷つけられるはずがないだろう……」
一角獣に睨みつけられた男性の言葉を脳裏で反芻し、ようやく彼がここの家主だと合点がいく。
男性にとって私達は、勝手に入り込み真っ白な画布を穢した侵入者だ。
平謝りしたって、許してもらえるかわからない。
我が物顔で悪びれもなく大人しくしてなどいられなかった。
私は、前世の妹のように皮の面は厚くないからだ。
「申し訳ございませんでした……!」
「ユニコッ!?」
慌てて椅子から立ち上がり、筆をパレットの上に置いて頭を下げた。
神獣はこちらが頭を下げる必要はないと、オロオロと視線をさ迷わせて美しき純白の体躯を寄せる。
そんなユニコーンの頭部を安心させるように撫でつけ、男性の顔色を窺った。
神獣は男性から私を庇うように、いつでも額の角で一突きできるように前かがみの体制になって目の前に立ち塞がる。
こんなところにいるはずのないユニコーンの姿を目にした彼は、驚きで目を見開いた。
「なぜ、神獣が……」
「コーン!」
「待ってくれ。俺は君に、危害を加えるつもりはない」
「ユニーン!」
男性は両手を上げて降参のポーズをした。
だが神獣は、「信じられるか!」と言わんばかりに興奮した様子を見せる。
彼は獣を宥めるため、己の出自を明かした。
「このアトリエは、俺が所有している。ただの画家が、君を傷つけられるはずがないだろう……」
一角獣に睨みつけられた男性の言葉を脳裏で反芻し、ようやく彼がここの家主だと合点がいく。
男性にとって私達は、勝手に入り込み真っ白な画布を穢した侵入者だ。
平謝りしたって、許してもらえるかわからない。
我が物顔で悪びれもなく大人しくしてなどいられなかった。
私は、前世の妹のように皮の面は厚くないからだ。
「申し訳ございませんでした……!」
「ユニコッ!?」
慌てて椅子から立ち上がり、筆をパレットの上に置いて頭を下げた。
神獣はこちらが頭を下げる必要はないと、オロオロと視線をさ迷わせて美しき純白の体躯を寄せる。
そんなユニコーンの頭部を安心させるように撫でつけ、男性の顔色を窺った。