転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 だけど……。
 彼は何度も私に、愛を伝えてくれた。
 その気持ちは嘘ではない。
 あの子が信じたなら、きっと輝かしい未来が待ち受けているはずだと思うから。
 ようやく、差し出された彼の手を取ってみようと言う気になった。

「約束してください。私を、裏切らないと……」
「ああ」
「何があっても、絶対に」

 不必要なほど念押しすれば、ディルクさんは何度も力強く頷いて私に誓ってくれた。

「信頼に足る人物だと、確証が得られるまでは……。あなたを好きにはなれません。それでもよければ……」
「構わない」

 彼に不利な条件ばかりを並び立てているのに――ディルクさんは私との結婚を心の底から望んでくれている。

「シエル。愛している」

 それが嬉しいと喜びに満ち溢れる自分がいることに、見ないふりをしながら。

「俺と、結婚を前提に交際してくれ」
「よろしく、お願いします……」

 こうして私は、ディルクさんの婚約者になった。
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