転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
私達の関係が変化したことを、カルトンさんとリルマさんにも報告する。
「おめでとうございます」
侍女は心の籠もっていない棒読みの祝福をくれたが、問題はそのあとに起きる。
「おかしくねぇか?」
報告を受けたカルトンさんが理解できないと言わんばかりに眉を顰め、呆れたように肩を竦めたのだ。
「あんたらは、元々許嫁なんだろ? 婚約者って表現は、違くねぇか」
「この際呼び方は、なんでもいい」
「だったらさっさと、結婚しろよ」
「その前に、片づけなければならない問題がある」
「妹がどうこうって件か?」
「いや。まずは、神殿だ」
「あー……」
カルトンさんは私が神殿から追われる身であったことを、すっかり忘れていたようだ。
バツが悪そうに視線を逸したあと、何かを考え込むような仕草をする。
「ごめんなさい。私があの時、素直に結婚を了承していれば……」
「いや。もっと早くに顔を合わせを済ませなかった、俺のせいだ」
私たちは互いに自分のせいだと顔を見合わせ、過去を悔やむ。
「私が……」
「俺が……」
その様子を見かねたカルトンさんは、呆れたように自分へ説明を求めた。
「つーか。今さらだけどよ。なんで、ユニコーンと一緒に神殿から逃げる羽目になったんだ?」