転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「もう二度と。俺の前から、消えないでくれ。頼む……」
苦しそうに吐き出された言葉を受けたら、この場から逃げ出そうなど思えない。
私は彼と繋いだ指先を自らの意思で握りしめると、婚約者を安心させるために声を絞り出す。
「私はディルクさんを、信頼したいです」
「シエル……」
「必要としてくれる限りは、逃げません……。見守っていて、ほしいの。私の、隣で……」
ディルクさんは何度も頷くと、私の肩を抱いた。
「ユーニィ!」
膝の上に乗っていたユニコーンは、手を繋ぐことは許せても、身体を密着させるのは許せなかったみたい。
「距離が近いぞ」と、不満そうに額の角を使ってコツン、コツンとディルクさんの腕を攻撃していた。
「もう。ユニコーンったら……」
その姿がなんだか手のかかる子どもを見ているようで――思わず声を上げて笑えば、場の雰囲気が和やかになる。
「準備ができたら、行こう」
「はい」
ディルクさんに促された私は、桃色の瞳に覚悟を秘めてしっかりと頷く。
一
1人ではできないこともみんなと一緒なら、きっとやり遂げられる。
そう、思うから。
「よろしく、お願いします……」
深々と頭を下げた私は、準備を済ませ――再び街へと繰り出した。
苦しそうに吐き出された言葉を受けたら、この場から逃げ出そうなど思えない。
私は彼と繋いだ指先を自らの意思で握りしめると、婚約者を安心させるために声を絞り出す。
「私はディルクさんを、信頼したいです」
「シエル……」
「必要としてくれる限りは、逃げません……。見守っていて、ほしいの。私の、隣で……」
ディルクさんは何度も頷くと、私の肩を抱いた。
「ユーニィ!」
膝の上に乗っていたユニコーンは、手を繋ぐことは許せても、身体を密着させるのは許せなかったみたい。
「距離が近いぞ」と、不満そうに額の角を使ってコツン、コツンとディルクさんの腕を攻撃していた。
「もう。ユニコーンったら……」
その姿がなんだか手のかかる子どもを見ているようで――思わず声を上げて笑えば、場の雰囲気が和やかになる。
「準備ができたら、行こう」
「はい」
ディルクさんに促された私は、桃色の瞳に覚悟を秘めてしっかりと頷く。
一
1人ではできないこともみんなと一緒なら、きっとやり遂げられる。
そう、思うから。
「よろしく、お願いします……」
深々と頭を下げた私は、準備を済ませ――再び街へと繰り出した。