転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
7・司祭に聖女の裁きを
 1度目はフードを被って全身をすっぽりとローブで覆い隠し、顔と体型がよく見えない状態で街へ繰り出した。
 2度目はお情け程度の変装を行った上で王城に向かい、無事に正体が露呈することなくアトリエに戻って来られた。

 殿下はそんな状況を鑑みて、必要以上に姿を隠す必要がないと考え直したのだろうか?

 今日の私はディルクさんが選んだアンティーク調の高そうなドレスに身を包み、リルマさんに髪をセットしてもらっていた。

 こんなにきらびやかな格好は、神殿で暮らしていた時でさえもしたことがない。
 まるで、貴族のご令嬢のような姿で婚約者からエスコートを受けるなんて、どうかしているとしか思えなかった。

「本当に、いいんでしょうか……?」

 そう不安になって問いかければ、前方から有無を言わせぬ声が聞こえてきた。

「俺はこの国の王弟だ。文句など、兄以外には言わせない」
< 143 / 249 >

この作品をシェア

pagetop