転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 殿下は護衛騎士と私が会話をすることすら、気に食わないらしい。
 これ以上彼の機嫌を損ねたら、大変なことになりそうだ。
 そう考えた私はカルトンさんと会話をするのを諦め、ディルクさんと歩幅を合わせて彼の胸元から伝わる熱に酔い痴れる。

「どんくらいで来ると思う?」
「30分」
「遅くねぇか? ここから城まで、歩いて5分とかからねぇぞ」
「偶然このあたりに幹部がいれば、それよりも早いだろうが……。あとは、神殿の本気度にもよる」
「甘く見積もりすぎだろ? 嬢ちゃんだけならともかく……こっちは神獣を引き連れてんだ。報告を受けたあと大騒ぎになって、速攻で来るだろ。なぁ?」
「ユニーン!」

 他愛のない話を続けている間に、私達は街へ到着した。
 カルトンさんはユニコーンの存在を知らしめるために、声をかける。

 嬉しそうな鳴き声を上げた神獣の姿を目にした街の人々は目を見開き、近くにいた人々と口々に囁き合う。
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