転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 ――ここにきてよかった。
 そう思えれば、きっと大丈夫。

「ユーニィ……」

 司祭を攻撃するべきか迷っている一角獣が、私に指示を仰ぐようにして不安そうな鳴き声を上げる。
 そんなこの子に心配いらないと口元を綻ばせたあと、目配せを行い神獣を呼び寄せた。

「おいおい……。何、舐めた口聞いてんだよ。相手は王族だぜ? あんた、殿下の伴侶が聖女でなければ、口を挟む権利がないことを忘れてねぇか?」

 私がこちらにやってきた純白の体躯を優しく撫でつけていると、カルトンさんが2人の会話に割って入る。
 その発言を聞いた司祭は、憤慨した様子で声を荒らげた。

「ゼヅロム卿こそ……! 我々の神聖なる話し合いに口を挟むのは、止めてもらいたい!」

 幼馴染の援護射撃を受けた殿下は、ここぞとばかりに打って出る。

「貴様の行いは、まったく持って清らかではない。自害を命じるだけだけでは飽き足らず、ほかの者達と共謀してシエルに心無い言葉をぶつけた」
「聖女に手を出すなど、ありえません……!」
「とぼけるな。裏は取れている」
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