転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「俺がいなければ、何もかもがうまく言ってたとでも?」
「ま、まさか……! ありえません! 我々神殿は、殿下の味方ですので……!」
「権力者の前ではゴマをすり態度を変える人間を、信用などできると思うか」
私が必死に平常心で居続けようとしている間にも、ディルクさんは司祭に疑いの眼差しを向ける。
聖職者は引き攣った笑みを浮かべ、元気よく返事をした。
「よ、四者面談でもなんでも! 喜んで、お受けいたします!」
殿下はその言葉を受けて、満足したようだ。
幼馴染の耳元で何かを囁いてから、私の手を引いた。
「行くぞ」
「あ……」
ディルクさんに繋いだ指先を引っ張られた私は、婚約者の背中から飛び出して歩みを進めようとした。
しかし、恐怖のほうが勝ったからぁ。
どれほど動けと命じても足が竦んで言うことを聞いてくれない。
「司祭を連れてこい」
「はい!」
相手は殿下だ。
安心できる人のはずなのに――どうして、前に踏み出せないの……?
「シエル……?」
「ユーニィ……?」
「ま、まさか……! ありえません! 我々神殿は、殿下の味方ですので……!」
「権力者の前ではゴマをすり態度を変える人間を、信用などできると思うか」
私が必死に平常心で居続けようとしている間にも、ディルクさんは司祭に疑いの眼差しを向ける。
聖職者は引き攣った笑みを浮かべ、元気よく返事をした。
「よ、四者面談でもなんでも! 喜んで、お受けいたします!」
殿下はその言葉を受けて、満足したようだ。
幼馴染の耳元で何かを囁いてから、私の手を引いた。
「行くぞ」
「あ……」
ディルクさんに繋いだ指先を引っ張られた私は、婚約者の背中から飛び出して歩みを進めようとした。
しかし、恐怖のほうが勝ったからぁ。
どれほど動けと命じても足が竦んで言うことを聞いてくれない。
「司祭を連れてこい」
「はい!」
相手は殿下だ。
安心できる人のはずなのに――どうして、前に踏み出せないの……?
「シエル……?」
「ユーニィ……?」