転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「嫌ならバイトでもなんでもして、さっさと出ていけばいいじゃないか」
「でも……。未成年の間は、保護者の同意が必要で……」
「家族にすらも、まともに自分の意思を伝えられないんですもの。働くなんて、無理に決まってるわ!」
「どうしてあなたは、乃絵留のように明るく元気な性格になれなかったのかしら……?」
「本当に、残念でならない……」

 両親から蔑みの視線を向けられた姉は、瞳に涙を浮かべてリビングから自室へと走り去ってしまった。

「もう……。まったく、あの子ったら……」
「お父さん、お母さん。志江留のことなんか忘れて、早く食べましょう! 料理が冷めてしまうわ!」
「そうだな……」

 私が満面の笑みを浮かべて促せば、両親は姉のことなんか忘れて家族水入らずで食事を楽しんだ。
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