転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「みんな、騙されちゃ駄目! シエルは大聖女なんて言われているけど、全部嘘なの! 本当は、あたしこそが……!」
「言い争いを続けたところで、決着がつかないのは明らかだ」
ノエルは私が何も言わないのをいいことに、困惑する観覧客達を味方につけようとわざとらしく大声を上げた。
ディルクさんはそんな妹の姿を冷めた目で見つめたあと、私を抱き寄せて耳元で囁く。
「大丈夫だ。俺が、そばにいる。何があっても、君を守ると誓うから」
その言葉を受けた私は、なんだか身体の奥底から勇気が湧き上がってくるような気がした。
怖がっている場合じゃない。
ちゃんと、立ち向かわなきゃ。
この会場に飾られている絵は、私が楽しい気持ちを抱いて描いた絵画たちだ。
こんなふうに人々を悲しませ、困惑させるために描いたわけじゃない……!
「画材を、用意してください……」
「喜んで」
ディルクさんは私なんかよりもずっと、ノエル・べサリオがどういう人間かよく理解していたのだろう。
こうなることを見越していたようで、すぐさま個展の警備を担当していた騎士団員さんに合図を送る。
すると、彼の指示を受けた男性たちはA4サイズの画布と一緒に水の入ったバケツと筆、油絵の具を持ってきてくれた。
「言い争いを続けたところで、決着がつかないのは明らかだ」
ノエルは私が何も言わないのをいいことに、困惑する観覧客達を味方につけようとわざとらしく大声を上げた。
ディルクさんはそんな妹の姿を冷めた目で見つめたあと、私を抱き寄せて耳元で囁く。
「大丈夫だ。俺が、そばにいる。何があっても、君を守ると誓うから」
その言葉を受けた私は、なんだか身体の奥底から勇気が湧き上がってくるような気がした。
怖がっている場合じゃない。
ちゃんと、立ち向かわなきゃ。
この会場に飾られている絵は、私が楽しい気持ちを抱いて描いた絵画たちだ。
こんなふうに人々を悲しませ、困惑させるために描いたわけじゃない……!
「画材を、用意してください……」
「喜んで」
ディルクさんは私なんかよりもずっと、ノエル・べサリオがどういう人間かよく理解していたのだろう。
こうなることを見越していたようで、すぐさま個展の警備を担当していた騎士団員さんに合図を送る。
すると、彼の指示を受けた男性たちはA4サイズの画布と一緒に水の入ったバケツと筆、油絵の具を持ってきてくれた。