転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
『よくもノエルに、濡れ衣を着せたな!』
『姉として、妹に優しくするのは当然でしょう!? あなたなんて、産むんじゃなかった!』

 彼らが必死に懇願しているのだって、妹を大事に思っているからこその演技かもしれない。
 このように、どんな罵倒が飛んできてもおかしくはなかった。

 ――それでも……。

 前世の記憶通りの光景が目の前で繰り広げられたらどうしよう。
 そうやって怯える必要はないのだと己を奮い立たせる。
 その後、彼の胸元を握りしめてなけなしの勇気を振り絞り、両親に問いかけた。

「一体、なんのつもりですか……。ディルクさんに、迷惑をかけるなんて……」
「今まで本当に、すまなかった……!」
「神殿にあなたを奪われたあと、とても後悔したの……。私達はもっと、抵抗するべきだった。あんな恐ろしい場所に、2人の娘を預けていたかと思ったら……。居ても立っても居られなくて……」
「シエルの純潔は、神獣が守ってくださったとお聞きした。本当に、ありがとう……! 君のお陰で、娘は救われたんだ……!」
「ユニッ!?」
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