転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 ――妻や大聖女として、やるべきことをほったらかしにした状態で……。

 こんなの、あまりよくないよね。
 だから今日は、一息ついたことだし、ディルクさんとたくさん触れ合って感謝を伝えたいと思ったの。

「ディルクさん。いつも私のそばにいてくれて、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「これからも。ずっと一緒にいてくださいね?」
「もちろんだ。たとえ君に嫌われたとしても、そばにいる」

 どちらとなく口を重ね合わせた私は、幸せでいっぱいに心を満たし――。
 悲しい過去を振り返ることなく、明日へ向かってゆっくりと一歩を踏み出した――。
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