転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 やっと、ディルクさんと2人で暮らす生活にも慣れてきたところだったのに……。
 知らない人が増えるなんて、絶対に嫌だ。
 私は誰かに守ってもらうような、価値のある人間ではないのだから……。

「ちょうどいい機会だ。このまま紹介しよう」
「ま、待ってください!私は……!」

 こちらが待ったをかけるよりも、彼がリビングに繋がる扉を開けるほうが早かった。

「随分と、嫌われたもんだな」
「ゼヅロム卿の全身から、女好きが滲み出ているからですよ。反省してください」

 いつの間にアトリエへやってきたのだろうか?
 胸元のボタンを第2まで開け放ち、金髪に紫の瞳をした軽薄そうな騎士服に包んだ男性と、茶髪に金目の侍女服をきっちりと着こなす女性が姿を見せた。

「カルトン・ゼヅロムと、リルマ・アイゼンノーツだ」
「よろしく、嬢ちゃん」
「手足のようにお使いください」

 カルトンさんは口元だけを綻ばせてヒラヒラとこちらへ手を振り、リルマさんは恭しく頭を垂れた。

 不真面目と真面目。

 そんな正反対の2人を目にした私は、うまくやっていける自信がなくてーー。
 ディルクさんの背中に隠れた。
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