転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 ーー神殿側が彼女を見つけたところで、予定通り俺に嫁がせるとは思えない。
 何がなんでも神殿の連中よりも先に彼女を見つけ出し、ゆっくりと愛を育む必要がある。

「彼女を探せ」
「は……っ!」

 父や兄に比べれば、動かせる手駒はそう多くはない。
 しかし、1人1人の実力は折り紙つきだ。
 俺は彼らを信じ、いい報告を待ち続ける。

「嫁さんに逃げられて、気が立ってるのはわかるけどよ……。そんな顔でここにいられると迷惑なんだが……」

 信頼のおける側近でもあり幼馴染であるカルトンに苦言を呈され、別荘で気晴らしに趣味の絵を描くことにした。
 その選択が、途切れかけた彼女との縁をより強固に結びつけることになるなど、思いもせずに……。

「君は……」

 ーーアトリエには灰色の長い髪と大人しそうな桃色の瞳の少女が、ユニコーンと一緒に羽を休めていた。

『聖女シエルは、ユニコーンを連れて神殿を飛び出してしまい……』

 一角獣を連れた、シエルと名乗る女性。
 彼女こそ、俺と結婚する予定だったシエル・べサリオだった。

 ーーようやく見つけた。
 俺の花嫁……。
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