転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「冗談だって。そんなに嫌そうな顔をすんなよ」

 シエルは今、神殿に追われる身だ。
 町中を堂々と歩くことはできないが、ここで穏やかな日常を楽しむくらいであればバチは当たらない。
 もしもここで匿われていることが神殿に露呈したところで、彼女を渡すつもりなどなかった。

「画家として、あの子の才能を埋もれさせるわけにはいかない。俺がこの手で、この国一番の聖女として育てる」
「了解」

 俺は部下との意思疎通を終え、彼女が絵を完成させるまで間の時間を有効活用するべく行動を開始した。
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