転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「勘違いさせてしまって、ごめんなさい……」
「気しないでくれ。俺は、謝罪ではなく謝辞がほしい」
「ありがとう、ございます……?」
「そうだ」

 ディルクさんはその場からすくりと立ち上がると、椅子に座る私を抱く。
 その後寝室へと運び、掛け布団を剥いでベッドへ横たえてくれる。

「ユニィ!」

 私たちのあとを着いてきたユニコーンは、嬉しそうな鳴き声を上げて寝台に寝転んだ。

「何から何まで……」
「気にするな」

 その様子に面食らいつつも謝罪をしようとしたのだが、彼にその必要はないと遮られてしまった。

 ディルクさんはベッドにいる私と視線を合わせるため、再び床に座る。
 それが仕方ないことだとわかっていても――自分が誰かを見下すのに慣れていないせいか。
 どうにも、落ち着かなかった。

「私が床に座るから……。あなたは、ベッドを……」
「気にするな」
「そんなの無理よ。誰かを見下せるほど、偉くないもの……」

 私の主張を耳にした彼は、驚きで目を見開く。
 どうやら、今の発言は受け入れ難い内容であったようだ。
 ディルクさんは難しい顔をしたあと、ポツリと呟く。
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