転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 ――駄目だ。

 ネガティブになってはいけないと、わかっている。
 だけど、あんな夢を見たあとだからか……。
 すべてを忘れて眠りたいのに、また悪夢を見るのが怖くて――目を閉じられない悪循環に陥っていた。

「つらいことがあるなら、ぐっと堪えずに吐き出してくれ。きっと、楽になるはずだ」

 今にも泣き出しそうに瞳を潤ませ、天井をぼんやりと見つめるこちらの姿に気づいたのだろう。
 ディルクさんは心配そうに覗き込んで顔色を窺いながら、アドバイスをくれた。
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